これまでに、私たちはいくつかのウェアラブルデバイスのデザインサポートを手がけてきました。開発現場で繰り返し目の当たりにしたのは、ウェアラブルデバイスという最先端テクノロジーに携わるエンジニアの皆さまが、メガネフレームの製作に苦闘される光景でした。メガネフレームの製作における課題を克服できず、開発プロジェクトそのものが頓挫するという、極めて残念な場面も経験しています。
メガネフレームは、非常にデリケートな製品です。一人ひとりの頭部の形状、目や耳の位置が異なることを前提として、目・鼻・耳という極めて敏感な部分に直接触れることでハードルが上がる「フィッティング」の問題をクリアする必要があります。さらに、装用する人の好みや、装用後の顔の印象に影響を与えるデザインにまで配慮しなければ、長時間の使用に耐えるプロダクトとして完成しません。そのため、手足に装着するウェアラブルデバイスに比べて気を配る点が多く、フレーム・機構・パーツにまで細やかな創意工夫が必要になります。
そこで私たちは、メガネフレームにウェアラブルデバイスを容易に装着できる革新的機構のアイデアを具現化し、「neoplug(ネオプラグ)」として開発・発表しました。2017年2月には、これまで独立した着脱機構であった「neoplug(ネオプラグ)」を、あらゆるウェアラブルデバイスの着脱が可能な「ウェアラブルデバイス向けメガネフレーム」として改めて製品化。これにより、従来型のメガネフレームや着脱機構にあった、ウェアラブルデバイス装着時の「ズレ」「ぐらつき」「痛み」などの課題を解消。グローバルスタンダードを狙う意欲的なブランドとして、新たに展開していきます。